一般社団法人日本移植会議 前代表理事 小栁 仁
日本の医療が世界の先進国と肩を並べる高い水準にあると日本人は信じています。
しかし、先進国をはじめ新興国の国々にも遅れている医療があります。それは臓器と組織の移植医療です。移植医療とは心臓・肺・肝臓・膵臓・腎臓・角膜・皮膚などが機能しなくなった時、臓器や組織の提供を受け、再び生命と健康を与えられる医療です。
ローマ法王は臓器・組織の提供は「愛の行為」であると声明し、仏教でも「慈愛に基づいた布施業」であるとされています。日本は「他に与える」ことを不得手とする国ではないはずです。
移植医療の数が少ないこの日本に生まれたがために、生きてゆけない患者さんが年々増加しています。
外国に渡航移植することについては、その国の患者さんの権利を奪うという批判があり、WHO(世界保健機関)からも厳しく批判され、国の患者さんは自国で移植するよう、また自国の臟器提供を増やすよう勧告されています。
これまで多くの分野の方々の努力がありましたが、もうこれには限界があることは明らかです。
倫理とは社会の人々の生存・健康・幸福を高めるための規範を指します。
私達はこの日本移植会議を通して日本の新しい文化を作りたいと思っています。
横田裕行 日本体育大学大学院保健医療学研究科長・教授、日本臓器移植ネットワーク 理事長
日本移植会議 前代表理事
日本移植会議 特別顧問
大阪大学特任教授・大阪警察病院長
参議院協会会長・日本医師会元副会長
前厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣
「心移植後30年を経て新たに思うこと」
「臓器提供に至るまで、その後の思い」
「ドナーファミリーとして伝えたいこと」
「できる限りいのちを守りいのちを繋いでいくために」
日本救急医療財団理事長
「ドナー・家族の意思を尊重し、実現するために」
聖隷浜松病院救命救急センター長
「患者の思いに応えるために」
岡山大学救命救急科長・高度救命救急センター長
「全力で救命し、全力で看取る ただそれだけ」
日本移植学会 元理事長
日本移植会議 前代表理事
酷暑の夏も過ぎ、ようやく秋の気配が漂ってまいりました。皆様におかれましては、お元気に秋を迎えられましたこととお喜び申し上げます。
一般社団法人日本移植会議につきましては、2019年より、余人をもって代えがたい識見のもと、御指導と御支援を賜ってまいりましたこと、厚く御礼申し上げます。
コロナの閉塞感の中を耐えしのぎ、この度御指導と御支援のもと、9月30日(土)に念願の公開シンポジウム第一回を行うことができましたこと、深く感謝いたしております。参加者約300名は病者、医師、看護師、その他の医療職、また多様な一般職の社会人、学生などが含まれ、予定時刻を30分ほどオーバーしましたが、誰一人席を立つ方もなく、盛会裏に終了いたしました。いただいたお名刺、芳名録、アンケート用紙には様々な社会の構成要素が含まれ、これらの方々のお力も得て、この国の人々の考え方、態度、反応、信条などに良い変化を起こせるような“国民思想会議”に育ってくれていることを意図し、良い予感を感じております。また、多くのメディアの報道もいただきました。感謝しています。
今後とも何卒よき御指導、御支援をいただきますようお願いし、私どもは只今より第二回目の準備に没入いたします。遅まきながらの御礼と今後の御支援のお願いを申し上げます。
令和5年11月初旬
一般社団法人日本移植会議
代表理事 小栁 仁